ラジエターから冷却水漏れ
夏のある日、信号待ちをしているとセレナのオーバーヒートランプ(赤色)が点灯し、クーラーが効かなくなりました。
エアコンを切って走り始めるとランプは一旦消えるものの、停止するとまた点灯するような状況でした。
家に着いてから冷却水を確認すると、予備タンクがほぼ空になっていたので急遽水道水を入れて様子を見ることに。
どうやらラジエターのアッパータンクの接合部分から冷却水が漏れているようで、わずかですが緑色の冷却水が滲み出た跡が見受けられます。
ちかくのオートバックスで見てもらうと、新品純正品のラジエターを取り寄せて交換する場合、工賃をいれて11〜12万円ほどの見積もりで、とてもその場で即答できる内容ではありません。
金額を聞いた瞬間、DIYでラジエター交換できないか調べてみる方向で気持ちが固まります。
同じようなことをしているYouTube動画がないかさがしてみると、古いセレナのラジエターからの液漏れは定番のようで、交換手順動画を10投稿ほど見つけることができました。
そのなかでもわたしが参考になると思ったのは主に3つで、本記事の最後に引用させていただきます。
複数の動画を見比べると細かいところで違いがあるものの、おおまかな流れは以下となります。
- Step1材料・道具準備
- Step2水抜き
- Step3邪魔な周辺部品を取り外し
- Step4液漏れしているラジエターを取り外し
- Step5新しいラジエターを取り付け
- Step6周辺部品を取り付け
- Step7冷却水補充
- Step8数日後に冷却水確認
Step1 材料・道具準備
DIYをするときに最初に知りたいけど案外情報が少ないのが、交換部品の入手方法や必要な工具についてです。ここでは、今回そろえた材料や道具をまずご紹介します。
ラジエター
なにはともあれ、新しいラジエターが必要です。
最初に探したのは、Amazon、楽天、ヤフオクで、セレナの車検証から型式がわかれば、適合しそうなラジエターがずらっと出てきます。
検索キーワードは「セレナ C25 ラジエター」
わたしの場合は型式がC25で、安いものだと7,000円ほどからありました。
しかしヤフオクの出品説明をみると、輸入品のためラジエターフィンに破損などがある場合があるからそこは目をつむってね、みたいな説明があって少々尻込みします。
とりあえず購入してみようか迷いながらさらにgoogle検索をしていると、クールジャパンという熱交換器まわりの自動車部品を得意とする日本の会社さんを見つけました。
セレナC25に対応するラジエターも売られており、お値段は1.5倍ほどに上がりますが結果として以下の点からここで購入することにしました。
- 日本のメーカーで主に熱交換器まわりを得意としてそう(品質がよさそう)
- 長期保証(18ヶ月)あり(何かあった時に問い合わせできそう)
- 事前に適合性確認をしてくれる(部品間違いがなさそう)
購入前の適合性確認は、電話で以下を伝えたら10分後には折り返してくれて、適合OKの確認がとれました。ちなみにメールでの問い合わせにも対応しています。
- 車体番号
- 初度年月
- 型式
- 型式指定番号
- 識別区分番号
そうしてわたしが購入したラジエターはこちら。
純正品番:21410-CY70C、21410-CY000、KOYO品番:PL021889
お値段:16,500円
注文した翌日には届きました。
きっちり梱包されています。
ちなみに宛名と但しを指定して領収書の発行までできました。
工具類
次に用意した工具はこちらです。
ソケットレンチは10mmのみ使いました。
冷却水関係
新しい冷却水(5Lと2L)と、注入時に役立つ簡易バルブ付きジョウゴを購入しました。
ついでに冷却水注入口のキャップもあたらしいものを購入。
- 冷却水(5L):https://amzn.to/4cTD4uA
- 冷却水(2L):https://amzn.to/4cTFE41
- ジョウゴ:https://amzn.to/3ALvTr6
- キャップ:https://amzn.to/4e99mmD
Step2 水抜き
それでは、作業をしていきます。
ラジエター下部から冷却水を抜くのと、交換時にロアホースを外すため、まずは車の前部をすこし上げます。
下をのぞくとこんな感じ。
本来は車体前方下部にはカバーが付いているのですが、過去に急な坂道への侵入時に擦ってしまい、すでに外れています。
少しもぐって覗くと、左手にロアホース、右手に黄色く変色した水抜きコックがありました。
バケツを用意して水抜きコックをひねると、ちょろちょろと緑色の冷却水が出てきました。
ボンネットをあけ、ラジエターのキャップを開けると、
冷却水が勢いよく出てきました。
冷却水を抜いている間に次にいきます。
Step3 邪魔な周辺部品を取り外し
ラジエターの取り外しに邪魔な周辺部品を取り外していきます。
参考にした動画を横並びで比較してみると、最低限取り外さないといけない箇所は以下です。
- エアインテーク
- アッパーホース
- エアコン配管の固定解除
- ラジエターファン
- ロアホース
- 予備タンクホース
この中で一番外しにくいのがラジエターファンで、ファンがより外しやすくなるようにバッテリの手前にあるコンピュータの箱も外す方もいらっしゃいました。
私は初めてだったので、まずはコンピュータを外さずに最低限の周辺解除でいけないか試してみることにします。
結論から言うと、初めてでも上記最低限の解除でラジエータ交換できました。
ちなみにフロントグリルを外す方もいましたが、それは全く不要だと思います。
ということで、まずはエアインテークを外していきます。
手前二箇所のクリップを外します。
そしたら全体を上に持ち上げ、本体の突起が二箇所ささっているところを外してあげます。
ひとつはバッテリの右奥あたり、
もう一つはバッテリの左手前あたり。
そしたらエアインテーク全体を引き抜いていきます。
これだけでだいぶスッキリしました。
次に、アッパーホースを外します。
エアコン配管を固定しているボルトを外し、配管が動くようにします。
10mmのソケットで外せました。
次にラジエターファンを外していきます。
まずはファンに接続されている配線のコネクタを1箇所外します。
二つあるファンの根元にそれぞれコネクタがありますが、そこは外す必要がなく、2つのファンから出ているハーネスが合流したところにある1箇所のコネクタを外せば良いです。
そしたらファンを固定しているボルト二箇所を外します。
ラジエター本体上部にボルトで固定されており、ここも10mmのソケットで外せます。
ハーネスコネクタとボルト二箇所を外すとラジエターファンがフリーになりますが、このファンを引き抜く作業が一番の山場となります。
向かって右側を下にいれこむようにして、左側を上にしながらファンを縦向きにします。
ここからが本番・・
このファンを引き抜くのに主に邪魔になっているのは二箇所で、エアコン配管に干渉するファンモータと、ラジエターのアッパーホースがつながっていた突起箇所に干渉するファンのフレーム部分です。
配管を曲げないよう慎重かつある程度力をいれ、ファンモータをエアコン配管より右側に出していきます。
あとはラジエターの突起物からファンのフレームをよけるようにして、上に引き抜きます。
この作業でファンとラジエターが何度も接触するため、ラジエター放熱面のフィンがだいぶ損傷しました。今回はラジエターを交換するので気にしませんが、もしこのファンだけを修理したりする場合は、ファンとラジエターの間にダンボールを挟み込んで養生するなど、ケアしてあげる必要があります。
Step4 液漏れしているラジエターを取り外し
いよいよラジエターを外していきます。
まずラジエターに接続されている予備タンクのチューブを外します。
クリップは手でつまんで移動できます。
下に潜って、ロアホースを外します。
外した瞬間、ラジエター内に残っている冷却水が出てきますので、注意してください。
ボンネット側にもどり、ラジエター本体を車体に固定しているブラケット二箇所を外します。
一つのブラケットが、ナット一つとボルト一つで車体に固定されています。
こちらも10mmのソケットではずします。
ラジエター本体を上に引き抜いていきます。
だいぶ冷却水が漏れていたようです。
引き抜いたラジエター本体とラジエターファンです。
ラジエターがなくなった車体側はこんな感じ。
冷却水が車体に付着していたので、オルタネータにかからないよう注意しながら水道水で軽く洗い流しました。
ちなみにコンピュータはバッテリの手前にあります。
たしかにこれを外せばだいぶ楽にファンを外せるとおもいますが、このコンピュータを固定しているボルトの1箇所がかなりアクセス悪いところにあります。
Step5 新しいラジエターを取り付け
新しいラジエターと古いラジエターを並べてみます。
新しいラジエータをよ〜く観察すると、残念なことに一部フィンがつぶれていました。
気になる方は問い合わせしてみてもいいかもしれませんが、わたしは気にせずこのまま使うことにします。
まず古いラジエターの右下についている、排出コックの先にある短いチューブを新しいラジエターに付け替えます。
古いラジエターから、
新しいラジエターに。
フィンが硬いところに触れないよう、慎重に新しいラジエターを挿入していきます。
ラジエター下部に二箇所突起があるので、それを車体側の穴にさしこむように設置します。
見えないので、感触でいきます。
ラジエター上部二箇所をブラケットで車体に固定します。
下にもぐり、ロアホースを取り付けます。
最後に新しい冷却水を入れるので、ここで白い排出コックを閉じておきます。
これで一旦ラジエター本体の取り付けは完了です。
アッパーホースと予備タンクからのチューブは、ファンを戻した後に接続します。
Step6 周辺部品を取り付け
ファンの取り付け時に新しいラジエターのフィンをつぶさないよう、養生をします。
ラジエターを梱包していたダンボールをラジエターの寸法にあわせておおよそカットします。
わたしの場合は、ファンを入れ込んだあとにダンボールを引き抜く際、アッパーホースのつながる突起物が邪魔になるとおもったので、突起物の左右でそれぞれ引き抜けるように二分割にしました。
養生テープでラジエターに軽くかぶせます。
ラジエターファンを、引き抜いた時と同じ向きでまず縦に差し込みます。
外す時に山場だった二箇所のうち一箇所目、エアコンの配管にどうにかモーター部分をくぐらせて、
アッパーホースのつながる突起部分をかわし、
ファンを横向きにすると無事に収まりました。
ダンボールを引き抜いて、ファンの上部を10mmのボルトでラジエターに固定します。
つぎにハーネスコネクタを接続して、ファンの設置が完了です。
つづいてラジエターにアッパーホースを接続し、
予備タンクのチューブを接続して、ラジエターの設置も完了しました。
外していたエアコンの配管をボルトで固定し、
エアインテークを戻します。
これでラジエターの交換は完了です。
Step7 冷却水補充
さて、排出した冷却水を見てみると、バケツいっぱいにたまっていました。
この分、あたらしい冷却水を補充していきます。
今回は冷却水注入をサポートしてくれるキットを購入。
付属品のうち青いキャップを取り付け、
そこに簡易バルブ付きのジョウゴを差し込み、
用意した冷却水を入れます。
バルブのレバーは縦にして開けておきます。
ぼこぼこっと気泡が出てきながら、冷却水が吸い込まれていきます。
よくみると簡易バルブのところから漏れているので、
タオルをかぶせておきます。
中に空気が残っていると冷却能力が低下するので、エア抜きを徹底します。
アッパーチューブをもみもみしながら、冷却水をどんどん入れていきます。
泡がでてくる様子。
泡がこまかくなり、ほとんど気泡が出てこなくなったら、エンジンをかけます。
エアコンを風量最弱の暖房にして、ラジエターファンをまわし、冷却水を循環させます。
過熱の警告ランプが点灯しないことをたまに確認しながら、エア抜きを継続します。
このときもアッパーホースをもみもみしてエア抜きを継続します。
エンジンの熱を冷却水が持っていくので、だんだんとホースが熱くなってきます。
ここではラジエターファンが回っているので、アッパーホースをつかむ際にくれぐれも手をファンに接触しないよう注意が必要です。
エアが抜けなくなってきたらエンジンを止めます。
ジョウゴの簡易バルブを閉じて、
残った冷却水をジョウゴごと予備タンクに移動し、バルブを開きます。
ちょうどMAXの線まで入りました。これで5Lの冷却水を全部使い切りました。
キャップをしめます。
冷却水が漏れたところを水道水で軽く洗い流し、
全ての作業が終了です。
このあと近所を軽く走って、警告灯がつかないことを確認しました。
Step8 数日後に冷却水確認
このセレナは毎日カミさんがつかっています。
ラジエター交換後は、特にオーバーヒート警告ランプは点灯していないとのことでよかったです。
数日後、念のために冷却水の残量を確認してみるとMIN近くまで減っていたので、予備で購入していた冷却水を補充しました。
一旦ホースなど再接続していますので、今後も漏れがないか注視していきたいとおもいます。
参考にさせていただいた動画
今回のラジエター交換を行うにあたり、事前にいくつかの動画を拝見しました。
そのなかでも特に参考になったと思うものを3つ引用させていただきます。
- モリモトシンヤさん:https://youtu.be/rGw7qUSAum4
- クルマNORIさん:https://youtu.be/G5woG1_PVy8
- パパスさん:https://youtu.be/om41GA_-0ak
この動画がなかったら自分で交換できなかったとおもいます。
ありがとうございました。