今回はフォークリフトのエンジンオイルとオイルフィルタを交換しました。
フォークリフトは中古で購入したTOYOTAの5FGL15というガソリン車になります。
はじめ、エンジンルーム内のどこにオイルフィルタがあるのかわかりませんでしたので、実際には初日にエンジンオイルのみ交換して、後日オイルフィルタを交換しました。
しかしそれだと、初日に交換したオイルがすぐに汚れてしまい、無駄に新しいオイルを購入するハメとなってしまいました。。
そこで本記事では、本来こういう順番で作業すればよかった!と感じた流れに沿って、初日のオイル交換作業と後日行ったオイルフィルタ交換作業の様子をまとめたいとおもいます。
リフトアップ
まずは枕木を加工してステップをつくり、フォークリフトの後輪をすこし浮かせます。
この後マストを前傾させて前輪も少し浮かせるのですが、その際にリフト本体が少し前に移動するため、後輪は気持ち後ろ目にのせておきます。
前方のマスト下に枕木を挟み込み、マストを前に倒して前輪を浮かせます。
古いオイルを排出
不要な段ボールを敷いて地面に寝そべられるようにします。
車体の下を覗き、オイルパンのドレンボルトを確認します。
ボルトは19mmのソケットが合いました。
下に適当なオイル受けを置き、ボルトを緩めます。
手で徐々に緩めていき、オイルを抜きます。
外したボルトキャップはこんな感じ。
次は座席下にあるエンジンルームを開け、
大気圧でオイルが抜けやすくなるよう、エンジンオイルの投入口を開いておきます。
オイルが抜け終わったら、
ドレンボルトを閉じます。あまり強く締めすぎず、最後はレンチでぎゅっと締める程度にしました。
ボルトを締めおわったら、パーツクリーナーでボルトのまわりを綺麗に拭き取ります。
抜いたオイルは真っ黒で、だいぶ劣化していました。
古いオイルフィルタを取り外し
次に古いオイルフィルタを外します。(実際には別日に行いました)
オイルフィルタはこの辺の奥にあります。
このオイルフィルタの型番を確認します。
車体下からなんとか撮影すると、90915-03005、90915-20002と書いてあるのがかろうじて読み取れます。
Amazonでこの型番を検索したところ在庫切れでしたので、パーマンコーポレーションさんというトラック用品などを専門に取り扱っておられる会社の通販サイト(パーマンショップ)でフィルタを購入しました。
さらに、古いフィルタの取り外しと新しいフィルタの取り付け(まし締め)にフィルタレンチという工具が必要なため、そちらも探しました。
フィルタレンチとはオイルフィルタを掴んで回すためのレンチのことで、いくつか種類があるようです。
いろいろな商品を眺めてみたところ、タイプ(フィルタの掴み方)、対応サイズ(対応するフィルタサイズ)、傷リスク(回す時にフィルタを傷つけるリスク)、握り位置(レンチの握りの位置を調整できるかどうか)の4つの観点からそれぞれのタイプを比較してみます。
良い点は青く、悪い点は赤くハッチングしてみます。それぞれ一長一短といったところでしょうか。
タイプ | 対応サイズ | 傷リスク | 握り位置 |
---|---|---|---|
カップ型 | 専用 | 低 | 可変 |
3爪型 | 可変 | 高 | 可変 |
ゴムバンド型 | 可変 | 低 | 固定 |
チェーン型 | 可変 | 高 | 固定 |
プライヤ型 | 可変 | 高 | 固定 |
わたしはフォークリフト以外に乗用車ももっていますので、そちらにも使える対応サイズ可変のレンチを最初買おうと思っていたのですが、結果的にはカップ型を購入することにしました。
今回、以下2点を満足できそうなタイプはカップ型だと判断したためです。
- 古いフィルタを外す際に傷が付くのは構わないのですが、新しいフィルタを取り付ける際には傷がつかないようにしたいです。取り付けを手締めで終わらせる人もいるようですが、フィルタの説明に記載の正式な取り付け方法では、パッキンが本体に接触してから更に3/4〜1回転まわす必要があり、この時仮に手締めでの力が不十分であれば、レンチを使うこととなり、その時にフィルタを傷をつけるリスクを抑えたいと考えました。
- フォークリフトに取りついているフィルタの位置から、レンチの握り位置が固定のものではフィルタをつかむことができても回すことができなさそうでした。車体の下からアクセスすれば回せるかもしれませんが、DIYレベルのスロープでの嵩上げでは潜りきれません。
ということで新しいフィルタのサイズを確認したところ、φ74mmとのこと。
またポイント数14個というのが、フィルタの縁にある平らな辺の数になります。
この情報に照らし合わせ、内寸74mmのカップ型レンチをAmazonで購入しました。
新しいオイルフィルタとカップ型のフィルタレンチが揃ったので、作業前に念のためカップ型のレンチが新しいフィルタにフィットするかはめてみたところ・・・
なんと、ハマるにはハマったのですが、ゆるゆるでカップがフィルタを全然つかめませんでした!!
せっかく調べて悩んで購入したのに・・とへこみながらも、カップの内寸とフィルタの外寸をさしがねを当てておおよそ測ってみました。
すると・・
カップの内寸は認識どおり約74mmだったのですが、フィルタの外寸がおよそ72mmほどだったのです。
あらためて製品仕様を確認してみると・・
オイルフィルタの仕様情報では、正しくはサイズではなく対辺の寸法を見なければならなかったようです。
さすが素人、とも言うべきでしょうか。
しかし不幸中の幸いにも、カップサイズは小さすぎたのではなく少しだけ大きかったので、フィルタ側に少しテープでも巻いてサイズを太くすれば、つかめるかもしれません。
そこで、ためしに新しいフィルタに養生テープを巻いてカップ型のレンチをハメこんでみたところ、なんとかつかめそうでしたので、この作戦でいくことにします。
ということで、古いオイルフィルタにもなんとか養生をテープを巻き、フィルタレンチをはめます。
下にオイル受けを準備したらラチェットハンドルをセットし、無事にまわすことができました!
持ち手の位置を回転軸方向に可変できないタイプのレンチでは、狭すぎてまわすことができなかったとおもいます。
ある程度ゆるんだらあとは手でまわして外れました。
黒の丸いパッキンが車体側に残らず、とりはずした古いフィルタ側にちゃんとついてきていることを確認します。
本体側はこんな感じ。
新しいオイルフィルタを取り付け
新しいフィルタのフィルムを剥がして、フィルタに記載の説明どおり新しいパッキンにオイルを塗ります。
これはフィルタを捻りながら取り付ける際に摩擦でパッキンが損傷し、そこからオイル漏れするリスクを排除するためです。
そしたらフィルタレンチをはめて、
新しいオイルフィルタをとりつけます。
最初は手でまわしていき、軽く取りついたらラチェットハンドルを取り付けて3/4〜1回転ほど増し締めしました。
養生テープを剥がそうか迷いましたが、とりあえずこのままにしておきます。
新しいエンジンオイルを補充
最後に新しいエンジンオイルを入れていきます。
事前にネットで調べたところ、トヨタのFG15クラス(フォークリフトのガソリン車1.5tクラス)のオイル量は4.0Lとありましたので、4L缶にしました。
エンジン上部のオイル投入口に100均で購入したろうとを差し込み、
オイルを注いでいきます。
感覚的に4L缶の4/5ほどを入れたところで一度オイルゲージを確認したところ、F(Full)まで行かなかったので、4L全部を入れました。
その後、エンジンをかけて暖機してからゲージを再確認します。
すこし見づらいですが、ちょうどFのところぐらいにオイルが来ており、これでよしとしました。
オイル漏れ有無の確認
最後、オイルパンのドレンボルト下とオイルフィルタ下に敷いていたダンボールにオイルが付着していないこと(オイルが漏れていないこと)を確認します。
大丈夫そうです。
あとはフォークリフトのマストを起こして前輪を下げ、枕木でつくったスロープからおろしたら、全ての作業が終了です!
購入したもの
今回購入したものはこちら。
ただしAVSA-74のフィルタレンチは上述のとおりフィルタサイズに適合しませんでしたので、適合しそうなAVSA-73のリンクも記載しておきます。こっちを買えばよかった・・。
後日談となりますが、今後のこともあるので内径72.5mmのカップ型フィルタレンチ(AVSA-073)を購入しなおしました。
新たに購入しなおしたオイルフィルタに被せたところ、きちんと食いついてくれましたので、今後はこちらを使おうと思います。
車体に取り付けた新しいフィルタに巻いた養生テープもはがしておきました。
おまけ
冒頭に記載したとおり、今回の作業は最初にオイル交換のみ行い、後日オイルフィルタを交換しています。その際に得られた知見を簡単にまとめてみます。
古いオイルフィルタによるオイルの汚れは無視できない
本記事では一連の流れでオイル交換とフィルタ交換をまとめましたが、実際にはオイルを2回交換しています。
初日にオイルのみを交換し(オイルフィルタは交換せず)、後日オイルフィルタを交換する際には前回入れたオイルをそのまま使いまわせば良いと考えていました。
しかし、オイルフィルタ交換時に抜いたオイルを見ると、たった数日しか経っていないのにだいぶ汚れていて、再度新しいオイルを入れようと考え直したのです。
その時の様子がこちら。
左から順に、初日に抜いた古いオイル→数日後のオイルフィルタ交換時に抜いたオイル→新しいオイルです。
真ん中のオイルは新しいオイルに変えてからたった数日の間で黒く汚れており、一番左の古い劣化したオイルのようです。
初日にどうしても抜けきれなかった古い劣化オイルが残っていたのもあるとおもいますが、それ以上に、古いオイルフィルタを介することでせっかくの新しいオイルもすぐに汚れてしまったのではないでしょうか。
自動車整備工場でのオイル交換時に、一緒にオイルフィルタも交換するよう推奨されている理由がわかった気がします。
オイルフィルタによる初回のオイル吸収量は無視できない
初日にオイルのみ交換した際と、後日オイルとオイルフィルタを交換した際、いずれの場合もオイルを全て抜いたあとに新しいオイルを4L入れました。
オイルを入れたあと、どちらのケースも少し暖機してからゲージを確認したときの様子を比較してみます。
左がオイルフィルタを交換せずにオイルのみ交換後、右がオイルフィルタとオイルの両方を交換後です。
左はだいぶFを上まわっていますが、右はFちょうどぐらいです。
おなじタンクにおなじ4L入れた場合に生じるこの差は、新しいオイルフィルタにオイルが吸収される分によるものとおもいます。
このことからも、大きなペール缶でオイルを保管しているような場合は別ですが、個人でちょこっとフォークリフトをメンテナンスする程度で、毎回4L缶を購入するようであれば、きっちり使い切れるという観点からもオイル交換時に一緒にオイルフィルタを交換するのが良いと思いました。
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